PART T わがまま?な被害者
M子さんはスーパーで買い物を済ませ駐車場から出るとき、近くに駐車してあった車にうっかりとぶっつけてしまいました。急いでスーパーの店内放送で車の持ち主を呼び出してもらい、謝罪した。ぶつけられた車の持ち主は、修理の間どうしても代車を用意して欲しいとのこと。そんな依頼とともに事故報告の一報が私のところに入った。
その日は運悪く土曜日、当事務所は定休日で私も不在だ。しかし、当事務所はこんな時のために、当社オリジナルで自慢の“三ッ折カード”や“連絡方法シール”をお客様にお渡ししている。もちろん、私の携帯電話番号も載っている。しかし、残念なことにM子さんはその時とても動揺したらしく、私に連絡がとれないので、三井海上のフリーダイヤルのサービスセンターに連絡された。
連絡を受けたセンターの担当者は被害者の方に丁重に謝罪をした。にもかかわらず被害者の方は、『電話でなく今すぐ代車を持って直接謝罪に来い。これがもし俺が乗っていて死んでいたらどうしてくれる!!』と、たいそうの剣幕だったらしい。午後9時過ぎに外出先から事務所に戻り、私は留守番電話を聞いて急いで相手方に連絡した。その時も喧嘩腰の言い方で、『すぐ来い』と言うので愛車VOLVOに乗って出向いた。
相手宅で私は、『そんなに代車、代車と言うならこの私の車に好きなだけ乗ってくれ』と言った。しかし相手方は、『こんな外車なんか乗れない、普通の車に替えてくれ』と言い受け取らない。仕方なしにすぐに家内の車と替えその場はおさまった。そして翌日からはレンタカーにしてもらった。しかし、これで問題は終わらなかった。2日後に相手方から連絡が入り、『怒り過ぎて血圧が上がり仕事を休んだ。その休業損害と病院の治療費を補償しろ』と言ってきた。
当然ケガをした訳ではないので、そんな補償は出来ませんと説得した。しばらくして車の修理も終わり、示談書の取り交わしのため連絡を入れた。そうしたら、『まだ調子が悪いので字が書けない』との理由で延ばされてしまった。最終的には『示談をしてくれなければ修理代は支払えない』と宣告し、修理屋さんの協力を得て何とか示談書の取り交わしが出来たが・・・。世の中色んな人がみえ、様々な人間模様が見られる。
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