喉 の 小 骨
遠方地の長期未解決事故)
平成16年1月5日

長い間未解決であった事故案件が最近やっと解決した。その事故は日本の南方の地で起こった。三河に住んでいた顧客のAさんは10年前頃その地に引っ越した。そして生活にも落ち着いた2年前、Aさんの家族が事故を起こしてしまった。引っ越し当時、自動車保険の契約はその地の代理店を紹介するからそちらでするようにお願いをした。しかしAさんの立っての依頼で当事務所で継続契約をする事になった。とはいうものの、余りにも遠い地方なので裏でその地の代理店に「事故があったら協力を」と依頼しておいた。

・・・そして初めての事故は起きてしまった。事故当日すぐに私のところに連絡が入った。相手方は即入院という大きな人身事故。すぐに依頼しておいた代理店に事故の対応を依頼したがどうも動きが悪かった。それではと保険会社の最寄の担当者に連絡して「すぐに相手方のところに飛んで行って下さい」と頼んだが、「いくら何でもすぐには行けません」と断られた。仕方なしに私のネットワークを活かして再度保険会社に圧力を掛け依頼したところ、すぐに対応してしてくれた。その後2年間の時が過ぎた。担当さんから毎月必ず私と契約者双方に被害者対応の経過報告をいただいた。私は性格上どうしても現場をきちんと見ておきたい。そして、本当に親身になって動いて下さった保険会社の担当の方に是非御礼を言いたい。そう考え昨年その南方の地に家内と一緒に行って来た。

そして帰ってきた時「こんなことなら事故直後に行っておくべきだったなあ〜」と深く後悔した。事故当時Aさんには「どうしてもと言うことなら行きますが・・」と申し出たところ、Aさんは「どうしても来て欲しいことがあったらこちらから航空券を送りますから、その時は来て下さい」との返事だった。その後1年半の時が過ぎた。相手方の怪我は思いのほか重く、結果的に後遺症が認定される程の重傷であった。示談交渉の最後の最後にはAさんにも苦情が入る程の状況となってしまった。私は自分の目で事故現場を見て、事故状況がお互いさまであると考え、強い主張が出来たため何とか円満解決した。

今は、この2年間私の喉の奥に刺さっていた小骨が取れた思いである。過去にも長崎や東京に事故処理に出向いたことはある。一昨年は中国で起きた事故の現場確認で中国まで行った。たとえ遅くなっても、「何事も自分の目で見て、自分の耳で確認する」この信念を通して本当に良かったと思う。そして私は強く言いたい”あなたの保険屋さん、そこまでやってくれますか?”と。私の自己満足の世界かも知れないが、たとえ遠方でも自分を信頼して契約して下さる顧客に対し、その責任のお重みを痛切に感じた。そういうところにこそ本当の信頼関係が出来上がるのである。この遠方での事故を通し深く反省し、今後の活動の課題にしていかなければならない。


水田のひとり言トップページ    ホーム