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【高校生殺人事件と我が家】 2000年5月5日 こどもの日  

5月1日(月)夕方6時半頃、豊川市内で高校生の殺人事件がありました。事件現場の被害者宅は、私と同じ町内で亡くなられた主婦のご長男は当社とお取り引きがあります。そして、犯人の高校3年生の少年は、私の息子と同じ学校です。(息子は2年生) 事件当日、私の息子は制服のまま友達と現場を見に行きました。その時、犯人が高校生らしいということで、警察官から職務質問を受けました。犯人より背丈が小さいということで帰されましたが・・。

身近な町内の出来事、そして、犯人の高校生が通う学校が息子と同じ、さらには私の母校ということで、他人事とは思えず本当にショッキングな出来事でした。高校生の子を持つ親として本当に複雑な思いです。

実は昨年9月頃、息子が集団で校内でタバコを吸い謹慎になりました。その頃、彼は中学時代から続けていた「野球も止めたい・・」と言い出していました。ある事で嘘をつかれ口論になり、恥ずかしながら私は“切れて”気違いのようになり、子供に初めて手を出してまいました。普段、気が小さくおとなしい性格の私ですので手加減を知らず、家内も殺してしまうのでは(と言いながら家内は止めてくれず)と思うほど殴ってしまいました。

中学卒業から高校入学にかけ、息子は私を見る時、まるで汚い物を見るかの如くでした。当然会話のない日々を過ごしていましたが、この私の暴行事件を境に、昔のように食事に行ったり、買い物にも家内抜きの男同士なら付き合うようになりました。親馬鹿ですが、もっと嬉しいのは性(SEXを含む)の悩みも打ち明けてくれるようになり、真面目で奥手な私にとっては苦手な分野“女性の口説き方”なども、私の想像でアドバイス出来るような親子関係にもなれました。

子供の意志で決めるべき部活の野球も、私の言いたい“男のケジメだけは付けろ”の意味を理解しているかどうかわかりませんが、その後は一度も休まずいっています。このゴールデンウィークも、3泊4日の強化合宿にイヤイヤでしょうが本人の意志で参加しています。

たとえ親であっても子供に手を出すことは決していいことではありません。結果的に我が家はいい親子関係になりました。しかし今思えばその時点では、良い目に出るか悪い目に出るかは、博打的賭けでした。むしろ裏目に出る可能性の方が高く、それは紙一重の差であったと思います。

“集団喫煙事件”の謹慎後、『父親のあんなに怒った姿を見て驚いたが、少し嬉しく思えた』という内容の反省文が学校に出されたそうです。(息子に確認したが彼ではないようです。)校長先生のお言葉に『今のこの時代に本気で怒ってくれる両親、先生、友達
周りの人に感謝すべき』と書かれた文集を今回思い出しました。

犯人の高校生はマスコミ報道によると成績優秀で、おじいさんもお父さんも教育者だそうです。一つ可哀想なのは、1才の時両親が離婚されていたことです。豊川で起きたこの“高校生殺人事件”を他人事に留めず、家族みんなでで考えなければならないと思います。私自身も家庭や仕事に対して今まで以上に、本気で真剣に取り組もうと決意を新たにしました。                              


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